ひだっちブログ › 飛騨川温泉しみずの湯 › 2012年09月07日
スポンサーリンク
この広告は一定期間(1ヶ月以上)更新のないブログに表示されます。
ブログ記事の情報が古い場合がありますのでご注意下さい。
(ブログオーナーが新しい記事を投稿すると非表示になります。)
ブログ記事の情報が古い場合がありますのでご注意下さい。
(ブログオーナーが新しい記事を投稿すると非表示になります。)
2012年09月07日
お時間ある方は最後まで
「新鮮な海の幸が食べたい」
海に面してない岐阜県民にとって切実な願いである
そんな願いを満たすべく毎年いとこ家族と旅行にいっていた
今日はそんなお話し
潮風が心地いい海岸を二つの家族を乗せた車が走る
「昼なに食べる」
運転手の父が皆に問いかける
「海の幸が食べたい」
全員一致の回答
車内全員の答えが一緒な事に満足げな父
鼻歌交じりに車を走らせる事10分
「海鮮丼・刺身定食」と書かれた雰囲気のいいお店がみえてきた
「ここでいいか」
といとこのお父さん
皆が満面の笑みで答えた
「いらっしゃいませ」
お店に入ると女将さんが笑顔で迎えてくれる
二階に通され席に着きメニュー表を見る
マグロ丼・鉄火丼・刺身盛り合わせ定食…
沢山のメニューに選ぶ顔も真剣になる
皆の顔が上がった
全員がメニューを決まったことを確認した父が女将さんを呼ぶ
程なくして
「お待たせしましたご注文をどうぞ」
品のある女将さんは穏やかな口調で言った
そんな心温まる接客に答えるように
「ネギトロ丼」
「鉄火丼」
「今日のお勧めランチ」
皆が次々と気分よく注文していく
そして最後N君の番になった
「…ピザが食べたい」
その言葉は唐突に発せられ
予想しない言葉に一同は凍りついた
冷静にどう考えてもそんな物あるはずがない…
今にも誰かが怒りだしそうな雰囲気である
そんな空気を察した女将さんが
静寂を切り裂くように言った
「そんなのブリ」

無理とブリを掛けたギャグである
皆がとてつもなく固まった
だが場の空気を和まそうとしてくれているのは痛いほどわかった
普段ならクスリともしないギャグだが今回は違う
皆も同じ気持ちだったに違い無いことは行動でわかった
皆がいっせいに笑い出し
「女将さん面白い」
「最高や」
など想ってもいない言葉が飛び交った
そんな皆の努力の甲斐あって場の空気が少し戻った
ここしかない…
ここでN君がメニューの中から食べたい物を選ぶだけ
簡単な事
メニューの中から…
ただそれだけ…
空気を読んでさあ…
視線がNの口元に集中した…
Nは大きく息を吸い込み唇を横に開いた
その口の動きで発声できる言葉は
そう
ピ
だけであった
皆の顔が歪んだ
人気アニメちびまるこちゃんで定番の顔に線が入る気まずい世界観をこれほど忠実に再現できる家族はここにしかいないだろう
女将さんに目線を移す
あんなに穏やかで品のある女将さんの姿はそこにはなく凶悪な顔をした…そう例えるなら海のギャングがそこにいた
渾身のギャグも通じず怒りがおさまらない凶暴なシャークは荒い口調でこういった
「文句があるなら帰ってや」
そこにはもう気の利いたギャグも穏やかさも無い
あまりの恐怖に返す事が出来ないイワシの群れはただただ無言で頭を下げるのであった
恐怖に怯えながら生きるイワシの気持ちが少し分った旅行であった
海に面してない岐阜県民にとって切実な願いである
そんな願いを満たすべく毎年いとこ家族と旅行にいっていた
今日はそんなお話し
潮風が心地いい海岸を二つの家族を乗せた車が走る
「昼なに食べる」
運転手の父が皆に問いかける
「海の幸が食べたい」
全員一致の回答
車内全員の答えが一緒な事に満足げな父
鼻歌交じりに車を走らせる事10分
「海鮮丼・刺身定食」と書かれた雰囲気のいいお店がみえてきた
「ここでいいか」
といとこのお父さん
皆が満面の笑みで答えた
「いらっしゃいませ」
お店に入ると女将さんが笑顔で迎えてくれる
二階に通され席に着きメニュー表を見る
マグロ丼・鉄火丼・刺身盛り合わせ定食…
沢山のメニューに選ぶ顔も真剣になる
皆の顔が上がった
全員がメニューを決まったことを確認した父が女将さんを呼ぶ
程なくして
「お待たせしましたご注文をどうぞ」
品のある女将さんは穏やかな口調で言った
そんな心温まる接客に答えるように
「ネギトロ丼」
「鉄火丼」
「今日のお勧めランチ」
皆が次々と気分よく注文していく
そして最後N君の番になった
「…ピザが食べたい」
その言葉は唐突に発せられ
予想しない言葉に一同は凍りついた
冷静にどう考えてもそんな物あるはずがない…
今にも誰かが怒りだしそうな雰囲気である
そんな空気を察した女将さんが
静寂を切り裂くように言った
「そんなのブリ」

無理とブリを掛けたギャグである
皆がとてつもなく固まった
だが場の空気を和まそうとしてくれているのは痛いほどわかった
普段ならクスリともしないギャグだが今回は違う
皆も同じ気持ちだったに違い無いことは行動でわかった
皆がいっせいに笑い出し
「女将さん面白い」
「最高や」
など想ってもいない言葉が飛び交った
そんな皆の努力の甲斐あって場の空気が少し戻った
ここしかない…
ここでN君がメニューの中から食べたい物を選ぶだけ
簡単な事
メニューの中から…
ただそれだけ…
空気を読んでさあ…
視線がNの口元に集中した…
Nは大きく息を吸い込み唇を横に開いた
その口の動きで発声できる言葉は
そう
ピ
だけであった
皆の顔が歪んだ
人気アニメちびまるこちゃんで定番の顔に線が入る気まずい世界観をこれほど忠実に再現できる家族はここにしかいないだろう
女将さんに目線を移す
あんなに穏やかで品のある女将さんの姿はそこにはなく凶悪な顔をした…そう例えるなら海のギャングがそこにいた
渾身のギャグも通じず怒りがおさまらない凶暴なシャークは荒い口調でこういった
「文句があるなら帰ってや」
そこにはもう気の利いたギャグも穏やかさも無い
あまりの恐怖に返す事が出来ないイワシの群れはただただ無言で頭を下げるのであった
恐怖に怯えながら生きるイワシの気持ちが少し分った旅行であった
Posted by 飛騨川温泉しみずの湯 at
12:57
│Comments(4)